●2018年9月23日 07:00(ルーマニア現地時間)
僕はルーマニア国トランシルヴァニア地方ブラショフ要塞のスグ下のホテルで、戦いの準備を整えていた
中東・イスラエル国テルアビブからの転戦に次ぐ転戦の日々も、今日が最終日(*v.v)。。
●8時にやってきた馬車で、ドラキュラ城に向かう
イスタンブールで天気雨に降られた以外、快晴続きだった10日間の旅で、唯一雨らしい雨に見舞われる。
しかし、幌付きの馬車なので問題ない。
200ドルで雇った情報屋自らが御者となり、最終決戦地へと急速にキョリを詰める。
本当であれば・・・
快晴だった先日、愛馬・BROMPTON号を駆って、こういった景色を駆け抜けてドラキュラ城を攻略した筈…。
いや、もう、悔やむまい(*v.v)。。
少なくとも『旅路を選ぶ感覚』は、今回の旅で結構自信がついた。
次の『ロマン探求ポタ(*v.v)。。』でも、10日間の旅は難しいとしても、僕らしい旅路を選べると思う。
●御者:「着いたぜ」
御者:「俺はここで待ってる!気を付けて行ってきな!」
『ガイドしてくれないのか・・・(・ ・) 一緒に戦ってくれないのか・・・(・ ・)』
クルマの外に出て、9月なのに息が白く見える張り詰めた空気の中を、城門の方に向かう。
●ちょうど、開門の時間に来たようだ
門の前には既に有象無象の冒険者たちが集合していて、開門と同時に城内へ突入していった。
連中に遅れまい・・・と、僕も突入する
・・・すると
●あっ!
こんなところに郵便ポスト!
妹分のシーモに「珍しい場所から手紙を出してほしい」と言われていたのを思い出す。
2日目のエルサレムではまだ序盤という事で出さず、一昨日のシギショアラでは郵便局閉店後でダメだったが、
『ドラキュラ城から手紙』なんてのは面白いんじゃないの?
さすがに、ポストオフィスは営業前っぽいので、先に城の攻略に向かう事にする。
㉞
(ルーマニア) 決戦 ドラキュラ城 篇
●急坂の先に、その城が見えてきた
おお、これが・・・
●ドラキュラ城!
正しくはブラン城。
1200年代にドイツ騎士団が木造の要塞を、14世紀末頃にザクセンの職人が石の要塞を建設、
その後にワラキア公の居城、さらには400年ほどのブラショフ市の管理を経ることになる。
20世紀初頭にルーマニア王妃マリアに寄進されて彼女の居城となり、この姿に改修されたようだ。
『吸血鬼ドラキュラ』(ブラム・ストーカー 1897)の登場人物ドラキュラ伯爵の居城のモデルとされる城でもある。
●Horror Blood of the Vampire(1958)
ドラキュラといえば、今でも様々な作品でアレンジされながら活用される存在。
昔の映像作品の雰囲気は、こんな感じだった。
うーむ、おそろしい(*v.v)。。
ちなみに、僕はドラキュラと言われれば『悪魔城伝説』(KONAMI 1989)を思い浮かべる世代。
あの作品に登場する城のモチーフを攻略する為、こんなところまでやってきたという訳だ。
●冒険者が渋滞しているディズニーランドの何かみたいな おそろしい城に・・・
突入だ!
●ロマン探求ポタ2018(*v.v)。。後半テーマ曲 KONAMI 悪魔城伝説(1989)♪Aquarius
●エントランスに入ると・・・
歴代城主と思しき人物の肖像画・写真が並んでいる。
その中にワラキア公・ブラド3世もいる。貴族も串刺し刑にした事で『串刺し公』と呼ばれたドラキュラのモデル。
すぐ、攻略してやる!
●中庭を通り、上階へ向かう
実は、城の外見を見ていた時から『ある違和感』があったのだが、
この中庭を見てその違和感が一層強くなっていた。
●城の中には・・・
古いワラキア(トランシルヴァニアの中にあった公国)の地図や・・・
●羊皮紙かしら・・・?
ルーマニア語の様だが、なんとなく権利譲渡の証書の様なものっぽいな・・・
この城の所有権のアレだろうか。
●うーむ
日本の古文書とか見てても思うけど、こういうのスラスラ読めたら楽しいだろうな
●城の中を眺めていて・・・
●僕の予感は・・・
もはや、確信に変わりつつあったが・・・
もしかしたら、僕の『予感』を覆す、意外な展開があるかも知れない。
●それは、例えばこの『秘密の階段』の様な構造とかだったりするのだが
うーむ、これぞ、ドラキュラ城的雰囲気。
目を閉じて、昔を思うだけでも・・・うーむ、おそろしい(*v.v)。。
●しかし、登ればのぼるほどはっきりしてくる
もはや間違いない、この城は明らかに・・・
のんびり、優雅に暮らすための城!
●『中世に築かれた戦闘の為の城』ではないな
おそらく、100年前にマリア王妃が大改修した時、住み心地重視のお城にしたのだろう。
●一番上まで上がってきた
現代でもルーフトップカフェなどで通用しそうな空間。
絶対、中世の城ではない。
●はっ!
そうか、ブラム・ストーカーが『吸血鬼ドラキュラ』を書いたのが1897年、
マリア王妃が城をもらって改修したのは1918年以降だから、
ブラムが見た城は、今、僕が見てきた構造・雰囲気とは全く違うものだったのかも知れない
●お城の尖塔も、なかなかかわいらしかった
もはや、王妃の趣味をカタチにしたものにしか思えなくなってきた
●最上部周辺の部屋には『串刺し公』ブラド3世の肖像画
でも、実際の彼は、ここにあった城に住んだ事はないのだそうだ。
色々誤解したまま、こんな辺鄙な場所まで旅しにきてしまうなんて・・・うーん、おそろしい(*v.v)。。
●下りながら見る部屋の中には
ドイツ騎士団のものっぽいマント(特に説明書きもない)や。
説明書きが無くてよく判らない鎖帷子と王冠・・・ワラキア公の正装かしら??
●よろいのきし
たしかに、これでは剣や槍では歯が立たず、ハンマーでぶん殴らなければならないわけだ・・・
しかし、互いにこんなの着て、ハンマー持ち歩いて殴りあうなんて、どんだけ体力あったのだろう。
●武器もあった
こうやって見ると、やはり『ゾッ』とするな。
僕の戦いはこの程度の内容でよかったと心から思うヤレヤレ
●拷問器具もあった
『鉄の処女』だ
実用されていなかったって聞いているけれど、実物みると、嫌すぎるアイテム。
そして、隣には・・・
ハリネズミの様な、トゲだらけの椅子
イヤすぎる
最後の最後で、恐ろしい思いをさせられたが、無事に脱出に成功!
・・・と
●・・・
あの明るい部屋は、なんだ?
●みやげもの店 宝物庫だった
そうだ、ここで後輩向けの最後のおみやげと、ドラキュラ城攻略の『僕自身の戦利品』をゲットしていこう
●脱出&戦利品獲得 成功
なかなか満足できる冒険だった
●ゲート前まで行くと・・・
新たな冒険者たちが、バイオハザードのゾンビの様に詰めかけている
大混雑の前に脱出出来てよかったが、
日曜日の為に郵便局はお休みで、シーモ宛の手紙はここでも出せなかった。
辺鄙な場所からの手紙は、『ロマン探求ポタ2019(*v.v)。。』まで持ち越しだ。
●さらばドラキュラ城(*v.v)。。
御者:「よく無事だったな。もう、出していいか?」
KOU:「ああ、出発してくれ」
御者:「じゃあ、お前の旅のファイナルステージ”要塞”へ向かう」
御者がムチを入れると、僕を乗せた幌付きの馬車は走り出した。
次回:ファイナルステージ『要塞』篇。
■ロマン探求ポタ2018(*v.v)。。INDEX
Ⅱ.トルコの章
Ⅲ.ハンガリーの章
Ⅳ.ルーマニアの章
終章
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