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(イスラエル) イスラエルヲ脱出セヨ 









●2018年9月18日 06:30 (イスラエル国 現地時間)
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この日はユダヤ教の祝日で、始発から国鉄がお休み。ホテルに手配してもらったタクシーで空港に到着。

タクシー料金は5,200円くらい也。

運ちゃん:「俺はトーキョーとキョートに行った事があるよ。日本はいい国だよな。いい旅を









●ベングリオン国際空港に入って、すぐにわかる
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到着側ロビーと、雰囲気が全然違う

到着側のロビーは特段警備も厳しくなければやかましい客引きもいない、のんびり小さな空港イメージだった。

しかし、出発側ロビーは、どことなく『シュッ』とした雰囲気。

見ると、航空会社の手続きカウンターの前にシュッとした空港警備スタッフがいて、何かチェックしているようだ。







●出発者一人一人に、国内滞在中の出来事やら次の渡航先の質問、荷物に関する質問をしていた
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なるほど、係員はそれなりの数がいるが、順番待ってるだけでもけっこう時間がかかる。

そのうち、背後でアトラクションが始まった。イスラエルで開催される万博のPRの一環らしい。

しばらくして僕の順番が回ってきた。

この国の人にしてはずいぶん小柄な(身長160cmくらい?)のアングロサクソン系のかわいい女性だった。

外見から名前を付けるなら『サラ』だろう。

「イスラエルは何日間滞在を?」「どこを回った?」「何の為に?」「●●では何を見たの?」

「あなたの家族構成は?」「何か買った?」「泊まったホテルは?」「この国を回った交通手段は?」

「次の渡航先は?」「この荷物はパッキングした後開封した?」「イスラエル国内に知り合いはいるの?」

「誰かから荷物を預かって届ける様に言われたりしていない?」・・・みたいな感じ。

質問の順番がバラバラで、英語が苦手な僕は結構戸惑った。

KOU:「次に日本へ?いや、帰らないよ。次はトルコ」

サラ:「何しにいくの?」

KOU:「だから、サイクリングして回ってるんだよ」

サラ:「現地の自転車で?」

KOU:「いや、この荷物が自転車なんだ」

サラ:「小さいのね。バッテリーは付いてる?」

KOU:「人力だよ」

サラ:「トルコの次は日本へ?」

KOU:「いや、えーと・・・ハンガリーとルーマニアへ」

サラ:「へえ・・・都市は?」

KOU:「都市?えーと、イスタンブール、ブダペスト、シビウ、シギショハラ・・・えーと・・・」

サラ:「イスタンブール、ブダペスト、シビウ、シギショハラ・・・」

KOU:「・・・えーと、ブラショフ、ブカレスト、そして、トーキョーへ帰る(ホントは名古屋だけど)」

サラ:「そのルートにどんな理由があるの?」

KOU:「理由??・・・理由?????」(サイクリングは理由にならないのか?)

サラ:「友達がいるとか」

KOU:「友達?いや、だから、いないって

なんで、空港係員は、どこの国も『友達』とかやたら訊いてくるんだろう?

世界中、リア充だらけという訳でもあるまいに。

サラ:「荷物を見せてもらうわよ」

KOU:「え?荷物?ああ、はいはい」

小柄な彼女じゃ僕の荷物を持ち上げるのは重いだろうと思って手伝おうと思ったら静止され、

彼女自身がヒョイと持ち上げて台の上に置いた。こういうの見ると、日本社会って色々甘いよなあと思う。

ここでサラは身長180cmオーバーくらいの長身の同僚を連れてくる。2人でチェックするつもりのようだ。

その同僚はアメドラの女優にそっくりの人がいたような気がする、これまた綺麗な人だった。

外見から名前を付けるなら『ダリア』だろう。




サラ:「まず、こっちは何?」

KOU:「自転車だよ(さっき言ったと思うんだが・・・)」

サラ:「ホントに?」

黙って輪行袋を開けて、折り畳まれたBROMPTONくんを見せると、サラとダリアは顔を見合わせた。

サラ:「バッテリーはついてないのよね」

KOU:「はい」

サラ:「じゃあ、こっちの袋の中身は?」

Travoyの入口に巻いたチェーンロックを外して、中が見える様にする。

KOU:「衣類と、雑貨と、自転車のトレーラーだよ」

サラ:「What ?」

KOU:「自転車のトレーラー・・・(あれ?トレーラー フォア バイシクルじゃ通じないのかな?)」

サラはふくろの中を覗き込み、ダリアと何か話している。

KOU:「ソレも折り畳み出来るんだ。出そうか?」

サラ:「いいや、その必要は無いわ」

・・・こんなやりとりを、これの3倍くらいやったろうか

ところどころ、サラやダリアが何言ってるのか僕の英語力では聞き取れなかったので、

この旅で携行していた『自動翻訳機』を、この後のやりとりで初めて使った。

正直、大して役に立たなかったが、それまでニコリともせず業務に徹していたサラを笑わせるという、

意外でうれしい効果を発揮してくれた。








●15分くらいはかかったろうか
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僕と係員とのやりとりは他の人たちのやりとりより明らかに長かったが、

それでも『この程度で済むなら、それほどでもなかったな』的な感覚だった。

空港のサービスカウンタースタッフにペガサス航空カウンターの場所を聴いたら、

30分後に34・35ゲートで始まるという事で、cafeにでも行っていようかと思ったが、

一応、一番最初に並んで、すぐに手続き出来る様にしておこう。なにしろ、僕は英語が苦手だからな・・・。



ペガサス航空のチェックインカウンターは空港係員のサラやダリルのシャープなイメージとは対極の、

ふわっとした感じの女性で、見た目で名前を付けるなら『ボビー』とかじゃないだろうか。

ここでは、WEB申し込み不能だった追加受託荷物の手続きをする必要があったので、

その旨を伝える。

ボビー:「この廊下の先の左側に追加荷物手続きカウンターがあるから、そこで手続きしてください

  手続きが終わったら、ここには並ばないでね





言われた通りに追加荷物カウンターに行くと、ぶっきらぼうで愛想の無いおばちゃんスタッフがいた。

見た目で名前を付けるなら、『ドーラ』とかじゃないだろうか。

手続きをして、追加料金を払う。約5,000円也。

ドーラ:「いいわよ。じゃあ、さっきのカウンターに戻って」

KOU:「あれ?さっきの人には戻ってくるなと言われたんだけれど。あと、レシートとか無いの?」

ドーラ:「無いわよ。カウンターに行きなさいよ」

あれ?どういうこと?

てっきり、僕は『ドーラ』が荷物にラベル張って、保安検査に進む様に言ってくるのかと思ってたんだが。

ちょっと離れて、頭を整理する。

KOU:「僕はどこのカウンターに行けばいいの?」

ドーラ:「34、35番カウンターでしょ」

KOU:「???」





ロビーに戻ると、ペガサス航空カウンター前には手続き客が長い列を作っていた。

ボビーのところに行くまで30分くらいはかかりそうだが、まだ、出発まで1時間50分ほどある。

スタッフに言われた通りで手続きしてるし、問題あるまい・・・。

そして、30分後にボビーの前に行くと、彼女はビックリした様な顔を見せた。

ボビー:「あなた、何やってるの?」

KOU:「いや、こっちのカウンターに並ぶ様に言われて・・・」

ボビー:「そんなバカな・・・ええと、レシートは?」

KOU:「彼女、くれなかったんだけどでも、お金は払ったよ」

彼女は「信じられない」と言って、「パスポートは?」と訊いてきた。

個人情報から支払い状況を確認するらしい。

この段になって、僕は、ボビーが僕に言っていたのは

「窓口(ドーラ)の手続きが終わったら(彼女からもらったレシートを持って)、

列に並ばないで(私に声をかけてね)」だった事に気付いた。ちょっとそれは省略しすぎだろ 

ボビー:「うん、ちゃんと支払われている」

彼女はそう言って、荷物シールをプリントアウトして、Travoyバッグの持ち手部分に巻き付けたが、

BROMPTONくんの輪行袋を見て、「うーん」と唸った。

ボビー:「これじゃあ、シールを貼っても剥がれちゃう」

輪行袋を開けてサドルへの貼付を試したが、それでも剥がれそうなので、

メインフレームに巻き付ける事にした。

KOU:「これで、本当にちゃんと見えるんだろうか?

ボビー:「あとは、保安検査場の係員の指示に従って!検査場はあそこだから!間違わないでね!」







●保安検査場にて
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ここのスタッフも長身の女性ばかりだった。一番大きい人は、やはり180cm以上でロシア系の顔立ちだった。

外見から名前を付けるなら『アレクシス』だろうか。

アレクシスはBROMPTONくん、Travoyバッグをそれぞれ片手でヒョイと持ち上げて、

X線検査装置を流し、画面をじーっと確認した後、

それらを手術台を思わせる検査台に載せた。

アレクシス:「あなた、何時の飛行機に乗るの?」

KOU:「10:35だよ」

アレクシス:「うーん・・・間に合わないかも」

え、嘘だろ 出発までまだ1時間20分あるんだぞ。

険しい顔つきの彼女は、他のスタッフと共に僕の荷物を全て検査台の上にあけると、

僕を検査場内に呼び入れて、「これは何?」「これは何?」・・・と細かく質問をしてくる。

それに一つ一つ回答して、少しした後、映画のキャラクターみたいな全身黒スーツの、

でも、僕と同程度のあまり背の高くない男(『カルロス』と名付けよう)がやってきて、僕に、丁寧に説明した。

カルロス:「これらは精密検査をしないといけない。もしかすると、出発に間に合わないかも知れない。

  その時には、別の便で送る事になり、到着先の空港で受け取ってもらうしかない」

・・・びっくりだが、同意するしかない

BROMPTONくんとTravoyは、彼と共に保安検査場から持ち出された。

ここまでおよそ20分。






●しばらく、保安検査場で待機させられる
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10分くらいで戻ってくるのかと思っていたが、BROMPTONくんもTravoyもなかなか戻ってこない。

そのうち、保安検査場唯一の男性職員と思われる人がイスを勧めてくれた。

外見から名づけるとしたら『トビー』がいいんじゃないだろうか。

トビーは、ピリピリした雰囲気の検査場の中で唯一柔和なスタッフで、

他の空港より長めに待たされる事が多い客に色々気を遣っているようだった。

『それにしても、マジで時間かかるな

そして、待つこと30分、搭乗時間まで残り30分を切ったところで、黒スーツのカルロスが走って戻ってきた。

カルロス:「OKだ、間に合うぞ。急いで、パッケージングをしてくれ!」

再び、保安検査場の中に呼び込まれ、急いで荷物をまとめる。

カルロス:「すまないな、時間がかかってしまって」

KOU;「別にいいよ」

手伝ってもらいながら梱包する時、BROMPTONくんのパーツが破損しているのに気付いた。

検査中に破壊されたのだろう。

カルロス:「あ、もしかして、壊してしまったか?」

KOU:「気にしなくていいよ」

とりあえず、ワイヤーロックで折り畳み状態を固定すればいい。大連で走行不能になった様な破損とは違う。

カルロス:「よし、行くぞ」

カルロスと、もう1人のスタッフが僕の荷物を持って、走り出す。

この時、出発まで20分。

カルロス:「なんとかなりそうだ。この後、特別の手配をして、君の搭乗を間に合わせる」

KOU:「特別な手配??」

・・・この空港はかなり小さい空港だし、もう、余裕で間に合うだろう???








●最後のセキュリティーチェック

カルロス:「連絡していた日本人客だ。優先的に通してくれ」

すると、空港警備員が道を開けて、搭乗員のルートを通る様に案内してくれた。

最新式のパスポートコントロールで2・3の質問を受け、スムーズに通る事が出来た。

『結構ギリギリになったが、これで搭乗できるという訳か』

そう思いつつ、最後のボディーチェックブースに入る。

そこは、他の空港と同じ様なブースではあるけれど、詰めている職員の数が異常に多かった。

カルロスの後を引き継いだ『マリオ』が僕をブースに引き入れる。

進み出てきた女性スタッフ『シンディ』が、また、最初のサラの時にした様な質問を浴びせてきた。

『ここで、また?』

3分ほど、その問答をしただろうか。

次に、手荷物検査を徹底的に受ける。

並行してボディーチェックを受ける。これも、今まで受けた事がないほど徹底的なものだった。

とはいえ、空港職員も『フツーの日本人だし、問題あるまい』という様な雰囲気には見えた。

ところが、なぜか、僕のクツが『何か』に反応したようで、職員の雰囲気が一変するのが僕にも判った。

多数のスタッフが騒然となって、動きだす。

『なんだ、これ、いったいどうなるんだ

マリオによって、徹底的な身体検査をされながら『何が問題だったんだ?』と思うが、さっぱり見当もつかない。

ってか、僕のクツが何に反応したのかも判らない。

結局、追加検査の結果、僕自身の疑いは晴れたようだったが、荷物検査をしていたシンディがやってきた。

シンディ:「このPC(VAIO Z)とモバイルバッテリー(SONY製)は持ち込めないわ」

KOU:「えっそれって、置いてくしかな・・・」

シンディ:「落ち着いて。これは、私たちが梱包して、預入荷物として送るから。

   あなたはこれらを空港で受け取れる。それでいいわね?」

KOU:「え、ああ、(もう、何がなんだかわからないけど)ありがとう」

マリオ:「なにしてる、急ぐぞ!もう、出発まで5分切ってる」













●ロマン探求ポタ2018(*v.v)。。前半テーマ曲 KONAMI Pop'n Music(2010) ♪The Sky of Sadness 













●なに、このマンガみたいな展開
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ああ。このゲート、この国に到着した深夜、反対側を歩いた道だ

まさか、ここを走って出国する事になるなんて思ってもなかった。












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到着時、上から見下ろしたロビーを、マリオに連れられて走る。

僕の荷物を抱えて走り、出発ゲートまで先導してくれるから何とかなってるけど、

そうじゃなかったら、絶対に間に合わなかったろう










●ほぼ出発時刻に搭乗
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僕を乗せてすぐ、ペガサス航空の飛行機は動き出した。










●何もかにもが強烈な印象だったイスラエル国
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好奇心が果てしなく刺激され続ける、めちゃくちゃ面白い国だった。










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歴史とか色々勉強して、5年以内・・・できれば3年以内に再訪したい。少しでも若いうちに









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お、僕が死にかけた砂漠のあたりかしら

さらば、イスラエル国・・・また逢う日まで(*v.v)。。







●機内ドリンク、誰も飲まないので不思議に思っていたら・・・
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有料だったからのようだ。

ドルで支払ったら、ユーロでお釣りが出てきた。ややこしい。










●キプロス島を飛び越して、しばらくすると陸地が見えてきた
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●なかなか雄大な景色
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世界地理の授業で習ったトルコの高原、アナトリア高原だったかしら。

シルクロードが走る、ステップ気候の大地。










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チャリで世界一周している人の様な本格的な『挑戦』や『走破』には、僕は全く興味が無いのだけれど、

これまでの人生の中で『自分が心惹かれた事がある場所』は、つまみ食い的に走ってみたい気持ちはある。










●「いつか行きたい」ではなく「いつ行きたい」と考える事が重要と思う
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・・・とは言え、いつ行ったところで、地形を見る限り明らかに僕向きではない

こういう場所は、クルマで走るのでもいいかもだね(´ε`)~♪ ドライブドライブ♪










●ザビハ・ギョクチョエン国際空港に向け降下を始める頃、雲量が増えてきた
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●次の舞台・イスタンブールが近づいてきたのを感じる
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●思ったより高低差が大きい感じ
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空港からイスタンブールのホテルまで約30km、Travoyを引っ張って走るのはなかなか手ごたえがありそう。










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多分、ルートが引かれたのは、あの太い道の側道とかじゃなかろうか。丘越えの道になっているな・・・









●この街もごちゃごちゃしている
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こういう街、大好きだわ 楽しそう♪








●トルコ ザビハギョクチョエン国際空港に到着!
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そして、イスラエル国脱出に成功

さあ、ここからまた新しいポタ旅のスタートだ





・・・そんな風に意気揚々とパスポートコントロールを通過し、バゲッジクレームに向かった僕のカラダには、

まだ、イスラエル国の『呪い』がとりついていたのでございました・・・





次回より『トルコの章』スタート




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■ロマン探求ポタ2018(*v.v)。。INDEX
序章

Ⅰ.イスラエルの章

Ⅱ.トルコの章

Ⅲ.ハンガリーの章

Ⅳ.ルーマニアの章

終章